「メンテナンス不要」は大間違い!太陽光でよくある5つの誤解

メンテナンス不要は大間違い お役立ち記事

「太陽光発電設備は、設置したらあとは放っておいて大丈夫」と思っていませんか?
実はそれ、大きな誤解かもしれません。

この記事では、太陽光発電事業によくある5つの誤解をもとに、「なぜメンテナンスが欠かせないのか」をわかりやすく解説します。

「メンテナンス不要」と言われていた時期はあった

太陽光発電設備が普及し始めた当初、確かに「メンテナンス不要」といわれていた時期はありました。しかし実際は運転開始後に発電電力量の低下や不具合が発生しているにもかかわらず、発見や対処が遅れる、あるいは放置されたままになっているという事例が報告されていました。

その結果、太陽光発電事業者に保守点検及び維持管理の必要性に関する知識や、実際の保守点検及び維持管理のノウハウが不足しており、適切な計画の策定や体制の構築がなされていないことが発覚。その後2017年施行の再エネ特措法、2023年施行の電気事業法により、メンテナンスは義務化されて罰則も強化されました。

確かに太陽光は比較的手間が少ない設備ですが、「ノーメンテナンスでOK」というのは危険な思い込み。放置すれば、知らないうちに発電量が落ちていたり、保証の対象外になってしまったり…というケースも少なくないのです。

誤解①「雨でパネルが自然にきれいになるから大丈夫」

太陽光パネルは屋外に設置されているため、確かに雨がある程度の汚れを流してくれるのは事実。しかし、鳥のフンや黄砂、花粉、排気ガスの油分などは、雨では完全に落ちません

こうした汚れが蓄積するとパネル表面を覆い、発電効率は確実に下がってしまいます。全体的にきれいに見えても、パネルの下部に雨で流れた汚れが溜まっているなど、下部の汚れは目立たないために放置されているケースが多いのが現状です。

太陽光発電所の周囲の環境でパネル汚れの蓄積度合いは大きく変わるため、定期的に専門業者に点検を依頼し、適切な周期で洗浄を実施しましょう。

誤解②「10年保証があるから壊れても安心」

太陽光発電設備には、メーカー保証や施工保証といったさまざまな保証がありますが、その内容はさまざまです。たとえば「メーカー保証」は製品のみで、施工不良や、自然災害による故障は対象外となります。

つまり、保証があるからといって完全に安心できるわけではないのです。保証内容は事前にしっかり確認し、必要に応じて定期的なメンテナンスを受けておくことが、万一の備えになるでしょう。

パワコンの寿命は10~15年、パネルの寿命は2030年程と言われています。

保証期間中にそれぞれの製品が理由で故障した場合には、メーカー保証の利用ができますが、故障の要因は先述の通り様々です。 メーカー解析をしたところ、製品の不具合ではなかったため多額の請求がきてしまったというケースもあります。メーカーを動かす前に、専門業者である程度原因の切り分けを依頼したほうがよいでしょう。

誤解③「定期点検は売り込み目的でしょ?」

定期点検

太陽光の点検を案内されると、「高額な修理を売り込まれるのでは?」と身構えてしまう方もいるかもしれません。しかし、定期点検の本来の目的は、人間で言う健康診断と同じ「異常の早期発見」です。

太陽光設備は一見すると順調に動いていても、内部ではじわじわと劣化が進んでいることがあります。売電額が気づかないうちに減少していた、というケースも少なくありません。

良質な業者であれば、不要な修理を押しつけることなく、必要な対応を明確に説明してくれるはずです。業者を選ぶ際は、過去の実績や口コミ、保守契約の有無などをチェックしましょう。

誤解④「20年くらいはノーメンテで使えるはず」

太陽光発電_火災

太陽光パネルは一般的に20年~30年の寿命といわれていますが、これは適切に管理がされている場合の寿命です。汚れの放置による故障、飛来物が衝突したことによる破損など、製品寿命と関係のないトラブルが多くあるため定期的な点検が必要とされています。

また、パネルで発電した電気を私たちが使用する電気に変換するパワーコンディショナ(パワコン)は10~15年が寿命といわれています。10年を過ぎるとエラーや・停止などのトラブルが発生する確率は上がります。ただし、原因はパワコンの故障ではなく、パネルとパワコンを繋ぐケーブルや接続部分の劣化・断線、接続方法が間違っているなどの可能性もあります。

このような異常を早期に発見し、対処するためにも専門業者による定期点検が重要なのです。

誤解⑤「売電が止まってから直せばいい」

これは最もリスクの高い考え方かもしれません。実際には、発電が止まっていても気づかずに数カ月経っていたというケースもあります。

また、故障を発見したときには保証期間が過ぎていたり、同じ型式のパワコンが販売終了となり手に入らないというケースも少なくはありません。この場合、既存の設備と併用できるパワコンを探したり、納品を待ったりと復旧にかなりの時間を要す場合があります。大きな損失になる前に、定期的な点検で異常を早期に発見し、最小限の出費で対処するのが賢明です。

まとめ

太陽光発電設備は、設置したら終わりではありません。メンテナンス次第で寿命も発電量も大きく左右されます。また、設置当初とはルールが変わっている場合もあります。現時点で義務化された内容を理解し、正しい知識を持って長期にわたる安定した発電事業を目指しましょう。

もし「うちの設備は大丈夫かな?」と不安に思ったら、まずは一度専門業者へ点検を依頼してみるのがおすすめです。


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