太陽光発電といえば、「エコで安全」というイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし実際には、火災や感電事故が全国で発生しているという事実があります。
とくに施工不良や点検不足が原因となるケースが多く、設置後も安心せずに定期的な点検や環境チェックが必要です。
太陽光発電の火災、実際に起きている?
2019年に消費者庁が公表した報告によると、住宅用太陽光発電システムに起因する火災事故が複数確認されています(2012年〜2019年のデータ)。
火災の多くは、モジュールや接続箱などの部品劣化、あるいは設置時の配線ミスなどが原因で発生しており、設置から10年程度経過した設備でリスクが高まっているのが実情です。
火災の主な原因はこの3つ
太陽光発電における火災リスクは、以下のような「見えにくいポイント」から発生します。
1,配線の接続不良・ゆるみ
太陽光発電システムには高電圧の直流電流が常に流れており、接続が甘いとその部分に熱が発生します。これが火花放電や出火の引き金になります。
2,パワーコンディショナ(パワコン)の劣化
太陽光発電システムは屋外に設置されることが多いため、風雨や寒暖差の影響を受けやすく、絶縁不良やショートが起こる可能性があります。特に設置から10年を超えた機器は要注意です。
パネル下や周辺の異物(落ち葉・鳥の巣など)
パネルと屋根の隙間に溜まった落ち葉やゴミが熱をこもらせ、思わぬ場所から火災が起きることもあります。また、鳥の巣などによる接続部の損傷も見逃せません。
火災だけではなく感電や漏電のリスクも
太陽光発電は火災だけでなく、感電や漏電といった電気事故も多く報告されています。
たとえば雨の日、破損したケーブルをうっかり触ってしまって感電したケース。あるいはDIYで清掃していた際に、裏側の通電箇所に接触してしまった例もあります。
水分の侵入によって起こる漏電トラブルは、目に見えにくいだけに非常に危険です。
こうした事故を防ぐには、専門知識を持つ業者による点検と整備が不可欠です。
火災や事故を防ぐ「3つの対策」

火災・感電のリスクを下げるために、今すぐ実行できる基本的な対策をご紹介します。
1,年1回以上の専門点検を受ける
太陽光発電協会(JPEA)のガイドラインでも推奨しているとおり、接続部や絶縁抵抗の確認などは、専門知識のある業者に任せるのが確実です。特に10年以上経った設備は定期診断が必須といえます。
2,ホットスポット診断(サーモグラフィ)を活用
赤外線カメラを用いた診断によって、パネルの表面温度をチェック。目に見えない異常な発熱(ホットスポット)を早期発見し、トラブルを未然に防ぐことができます。
3,月1回の清掃と周囲の環境チェック
専門点検やホットスポット診断がすぐにできない場合は、落ち葉や鳥の巣などの異物を取り除き、目視でケーブルやパネルの状態を確認するだけでも効果的です。地上設置型の設備では、防草対策なども併せて行うと安心です。
実際にあった火災・事故の事例

ある家庭では、屋根上の配線が適切に固定されておらず、風に揺れて摩耗。ついには断線し、ショートによって火災が発生しました。
また、中古のパネルを安く入手して設置したケースでは、内部の劣化が見抜けず、数ヶ月後に漏電が発生し、感電事故に至っています。
これらはいずれも“事前点検を行っていれば防げた可能性が高い”ものばかりです。
まとめ:「うちは大丈夫」が一番危ない!
太陽光発電は、安全に長く使えば非常に経済的で、環境にも優しいシステムです。
ですが、「設置して終わり」ではありません。定期的な点検と日常的なチェックこそが、火災や感電といった“防げるトラブル”から身を守る最も効果的な方法です。
「うちはまだ大丈夫」ではなく、「今、何ができるか」を考えてみませんか?
今すぐ確認したいチェックポイント
- 設備の設置から10年以上経過している
- 設置業者と連絡が取れない、保証が切れている
- 落ち葉やごみがパネルのまわりに溜まっている
ひとつでも当てはまる方は、点検や診断を検討するタイミングです。
LC-JAPANでは、太陽光発電のメンテナンスを承ります。駆付け無制限のお得な月額プランもございますのでお気軽にご相談くださいませ。