近年、通信技術の進化に伴い、携帯キャリア各社は3G回線の提供を終了(停波)しています。これにより、3G回線を利用した遠隔監視システムは通信不能となり、発電状況のモニタリングができなくなるリスクがあります。
そこで今回は、3G回線の終了によるリスクや、切り替えのためのポイントをお伝えします。
3G停波のスケジュールは?
主要キャリアでは、既にKDDI(au)とソフトバンクが3Gを停波しています。NTTドコモは2026年3月31日に終了予定のため、現在でも稼働している遠隔監視システムについてはNTTドコモの回線を使用している可能性が高く、早急に対応が必要となります。
太陽光発電の監視システムに与える影響
1,監視不能によるリスク
3G停波により、遠隔監視システムが正常に作動しなくなると、発電量の確認ができない、異常発生時の通知が届かないなどの問題が生じます。その結果、故障やトラブルに気づかず売電ロスが発生してしまうリスクが発生します。
2,停波後の具体的な影響
3Gの停波後は、遠隔監視装置に「データ送信エラー」や「通信異常」などの警告が表示され、遠隔監視システムにアクセスできなくなります。また、メンテナンス会社とのデータ共有ができなくなるため、早急に4G/LTE対応の通信機器への交換を行うことが必要です。
交換対応の流れとポイント

1,交換前の確認事項
まず、現在の監視システムが3G回線を利用しているかを確認しましょう。
✅ 確認するポイント
- 遠隔監視システムの型番と通信方式(3G/LTE/5G)
- 監視装置メーカーの公式サイトやサポート情報の確認
2,新しい通信機器を選定する
3G停波後も遠隔監視を続けるためには、4G/LTEまたは5G対応のルーターもしくは4G/LTE、5G対応監視機器に交換が必要となります。
🔍 交換時のチェックポイント
- 監視システムとの互換性:システムに対応した通信機器を選ぶ
- データ通信プラン:監視データの送信頻度に合ったSIMプランを選択
🔹 交換に適した機器の例
- LTE対応のルーター(監視システムメーカー推奨のものを使用)
- VPN対応でセキュリティが強化されたルーター
- 4G/LTE、5G対応の通信機器
3,交換工事の進め方
- 新しい通信機器を手配(監視システムメーカーや販売業者へ問い合わせ)
- ルーターの設置・配線を確認(現在の機器と交換可能かチェック)
- 監視システムとの接続設定を行う
- テスト運用を実施し、正常にデータが送信されているか確認
交換作業は、メーカーや専門業者に依頼するとスムーズです。
4,交換作業時の注意点
⚠️ 注意点①:交換は早めに!
3G停波後に通信が途絶えると、監視不能状態になります。交換作業が集中すると、機器の在庫不足や施工業者の予約が取りづらくなるため、早めの手配が重要です。
⚠️ 注意点②:交換後の動作確認を徹底
交換が完了したら、データが正常に送受信されるか必ず確認しましょう。監視システムの動作テストを行い、異常時のアラートが届くかどうかもチェックが必要です。
まとめ:早めの交換で安心運用を!
3G停波により、遠隔監視システムが突然使用不能になるリスクがあります。しかし、事前に4G/LTE対応の機器に交換すれば、発電状況の監視を継続でき、異常発生時の迅速な対応も可能になります。
🔹 交換対応のチェックリスト
✅ 現在の通信方式(3G or LTE)を確認
✅ 対応する4G/LTE機器を選定
✅ 機器交換と設定変更を実施
✅ 通信テストを行い、監視システムが正常に動作するか確認
「まだ大丈夫」と思わず、早めの対応を進めましょう!
LC-JAPANでは、遠隔監視システムに関するご相談に応じます。「メーカーから無償で機器提供があるのに施工会社が倒産している」、「遠隔監視システムの機器を導入したい」、「機器交換対応を行っている会社を探している」などでお困りでしたらお気軽にご相談くださいませ。